変形性関節症|なるせメディカルクリニック|相模原・相模大野

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変形性関節症

変形性関節症|なるせメディカルクリニック|相模原・相模大野

変形性関節症について

関節表面を覆う関節軟骨は軟骨細胞と軟骨細胞外基質からなり、血管や神経線維の分布はありません。変形性関節症では機械的刺激などにより軟骨の変性・磨耗を生じ、関節周囲を取り囲む滑膜の炎症が併発して変性が加速します。それらの変化により血管増生や神経線維の増生をともなう関節包の線維化が起こり痛みを感じやすくなります。とくに種々の関節のなかで体重を支える荷重関節としての膝関節、股関節の変形性関節症が重要です。
変形性関節症では関節炎に伴う自発的疼痛と腫脹、腫脹による動かしにくさや可動域制限が生じます。軟骨磨耗の進行により関節炎が起こりやすくなり、荷重の繰り返しにより疼痛を感じやすくなります。軟骨が消失すると荷重刺激により疼痛を感じ、徐々に悪化していきます。関節炎の繰り返しにより関節包の線維化が進行し、さらに痛みを感じやすくなっていきます。種々の炎症性疾患、軟骨脆弱性の素因、外傷、関節形成不全、関節動揺性が関節症発症の原因となり悪化の誘因となります。関節への負荷により軟骨磨耗から骨組織の破壊が生じると関節は変形し、変形と症状の悪化の悪循環を起こします。このような変形性関節症の変化は不可逆進行性であり、決して自然によくなることはありません。
残念なことに軟骨磨耗の防止に効果的な治療法は未だ確立されていません。関節症の悪化の防止には適度な運動負荷と肥満の改善や労働量の調節、関節炎のコントロールが重要です。また機能的な治療として関節周囲の柔軟性の維持と周囲筋力の維持が必要でありリハビリテーションが大切です。また、股関節や膝関節に生じる変形性関節症では発生頻度が高く重症化するとADL(日常生活動作)障害が著しく手術的加療が必要になります。このように変形性関節症は定期的な診断、治療、リハビリテーションをうけることが進行予防に大切なのです。

変形性膝関節症の治療

(日本整形外科学会治療ガイドラインから抜粋)
変形性膝関節症の適切な管理には,薬を使わずに行える非薬物療法と薬を用いた薬物療法の併用が必要とされています。

非薬物療法

すべての変形性膝関節症の患者様に対して,治療の目的と生活様式の変更,運動療法,生活動作の適正化,減量,および損傷した関節への負担を軽減する方法に関する情報を提供し、理解してもらうことが重要とされています。自己管理と患者様主体の治療に重点をおき,その後,非薬物療法の積極的な遵守を行ってもらうことが大切です。また、時には定期的な電話指導も有効とされています。疼痛緩和および身体機能を改善するための適切な運動療法について理学療法士による評価と指示・助言を受けてもらうことが有益であり、杖および歩行器などの補助具の適切な提供につながります。定期的な有酸素運動,筋力強化訓練および関節可動域訓練を行い継続していくことが重要です。標準体重を超えている場合にはダイエットを行い適正化することが奨励されています。T字杖や松葉杖などの歩行補助具の使用は疼痛軽減に役立ちます。痛い膝と対側の手で杖/松葉杖持って使い、両方の膝が痛い場合にはフレーム歩行器または車輪付き歩行器が望ましいとされています。軽度~中等度のO脚、X脚変形を有する場合、膝関節装具の使用は疼痛緩和、安定性の改善、転倒リスク低下に有用です。また、外側楔状足底板の使用は症状緩和に効果的です。温熱療法や経皮的電気神経刺激療法などの物理療法は疼痛緩和に有効です。

薬物療法

アセトアミノフェン、非ステロイド性抗炎症薬、弱オピオイドや麻薬系鎮痛剤の内服使用が推奨されていますが、使用量、使用期間、使用順序、併用薬材などに配慮が必要です。また、シップや塗り薬などの併用も有効とされています。ヒアルロン酸や副腎皮質コルチコステロイド関節内注射も有効な治療法とされています。

外科的療法

高度な障害を示す変形性膝関節症には人工膝関節置換術、単顆膝関節置換術、高位脛骨骨切り術、関節洗浄および関節鏡視下デブリドマン、関節固定術などの手術療法が選択されます。